決めるを決める

「自分のやりたいようにやるなら独立しろ」

10年前、独立時に背中を押してくれた先輩の言葉だ。

リクルートを離れて3社、ベンチャーを経験した。

「独立起業をするのがかっこいい」的な空気が
当時のリクルートにはあり、自分の無意識化にも常に
「いつか独立しなければ」という焦りに近いようなものを持っていた。

ベンチャー企業を辞め、生きあぐねていたとき、先輩から言われた言葉。

「 “自分の好きなことをやろう” と思って独立するなら間違うからやめろ。
なぜなら、自分の好きなことは世間のニーズとは必ずしも一致しないから。
でも “自分のやりたいようにやる” のであれば独立しろ」

その言葉に妙に納得し、
あてもないながらスタートを決めた。

先日、ベンチャーでお世話になったボスの「偲ぶ会」に参加した。

私の知るボスは、とてもやんちゃで、
強引と言われるくらいに人を巻き込み、
志を現実のものとしていった人だった。

震災後の東北の子供たちを支援するために
300人以上の子供たちを海外留学させ、
生きる自信を手に入れる機会提供をした。
遺志を継ぎ、「偲ぶ会」は2万円のチャリティパーティだった。

 

同じ日、鳥貴族の大倉社長の講演を聴く機会があった。

快進撃のきっかけになったのは、道頓堀という繁華街での成功。
それまではローカルでの展開だったので、
鳥貴族の可能性を過小評価していたとのこと。
家賃の高い、競争の激しいところでも繁盛店が作れる。
その実績から「どこでもやれる」とスピード展開を決められたそうだ。

元ボスも、鳥貴族の社長も、
「思うところを「決めて」やってきた人」だ。
「やりたいようにやる」は、「決める」ことだ。
「“自分が本当にそうだと思うところをやる” と、決める」

 

この2、3年は、走りっぱなしだっだけど、
日々の仕事にチャレンジは多かったけど、
あれこれ考えた挙句、見送ってきたことも多い。

「バランス」だったり、「どう見えるか」だったり。

考えた挙句に「決めない」ことが多かった。

時間は、あっという間に過ぎていく。
気がついたら10年だ。

改めて「決める」を決めた。