この春も新入社員研修を3社ほど担当させていただいた。
楽し気な雰囲気の中にも、しゃっきりとしたけじめを感じたのが、
今年の新人の特色だ。
とはいえ、一日の中でも終盤になると表情に疲れが感じられ、
楽しそうに見えても、やっぱり緊張していたんだなあと、
いい意味での新人らしさをほほえましくも感じる。
今日は、そんな新人から
教えられたことのひとくさり。
新人研修につきもののビジネスマナー習得。
知識については、50問のテストと解答を通じて、
覚えてもらうのが毎年の恒例だ。
以下の問題、〇か×か。
14時55分にお見えになったお客様。
「ABC商事の青山と申します。営業部の白井部長と
15時にお約束をいただいております。」
あなたは、以下の応対をしました。
「青山様でございますね。お待ちしておりました。」
といった内容。
回答としては「×」で、本来は「青山さまでいらっしゃいますね」
というべきところを「青山さまでございますね」といった敬語の問題。
ベテランビジネスマンでもうっかり見逃してしまうような問題でもある。
「×」と答えた新人は半分ほど。
なーんだ、結構わかっているじゃない、と思ったものの、
どこが「×」かと聞いてみると、
・15時の約束なのに5分前に来たのはまずいんじゃないか
・青山と名乗っているのに「青山様ですね」と念押しをするのは失礼ではないか
・お待ちしていたと伝えると、相手にとってプレッシャーではないか
などなど、なかなかユニークな答えが返ってきた。
新人なりに、あれこれ頭をひねって考えたことがわかる。
敬語の問題はともかく、商習慣を知っているか知らないか、
シンプルな話でもある。
回答は合っていても、案外、内容を違って受け取っていることがある。
指導をするときに「前提を確認する」という意味が理解できる。
一方で、知らないからこその発想は、
新人の今しかできない貴重なものだとも思う。
スタートラインに立った新人の今後に、心からエールを送る。