『 “with”の視点 』

ある会合でこんな話を聞いた。
彼は、日本に「ホスピタリティ」を定着させた第一人者。
アメリカでの修行時代にその原点を学んだという。

修行中のホテルでパーティがあり、
ホスピタリティ精神で絶賛される社長秘書のメリーさんも来ていた。

彼は、メリーさんにこう尋ねた。
「How long have you working“for”Mr.Tohmas?」
~何年、トーマス(社長)のために働いているのですか?~

横で聞いていた社長が言った。
「She is working“with”me」
~彼女が、私と一緒に働いているんだ~

なるほど “for” と “with”
単純なようで、大きな違いがある。

マネジャー向けの研修や、コーチングセッションをしていると、
一生懸命、任務を果たそうと頑張っていることに感動する。
でも、話を聴いていて「大変そう」と思うことも多い。

そんなマネジャーさんは、
“会社のために”とか “部下のために”とか、“for” で話をする。

 

もちろん “for” は大切なんだけど、“with” で考えてみると「視界」が変わる。

 

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年末のセッションのこと。

あるマネジャーがチームマネジメントに悩んでいた。
「雇用形態」も「年代」も「能力」も「価値観」も異なる人たち。
話を聴いていて、ふと浮かんだ問い。

「あなたのチームに “with” を持ち込むとどうなりますか?」

「え? “with”・・・ですか?」
彼は、しばらく黙ったあと、 チームの構成員を
“多様性のカタマリ=いろんな性格・行動特性を持つ動物たち”と置き換え、
自分を動物園の園長として、“with”を考えた。

すると、次々にアイデアが湧いてきた。
「違い」は動物園の武器になる。

彼の口からは、ポンポン言葉が飛び出す。

「まず、個性豊かな『珍獣』は、さらに磨きをかけたいですね。
お互いの違いが、動物園としての圧倒的な差別化につながる
そんなフォーメーションを考えてみます」

「どうせなら、待ちの動物園でなく、『移動動物園』や『ふれあい動物園』など
攻めの動物園を目指したいですね」

 

「違い」は可能性の宝庫だ。

1時間半のセッションのあと
別人のようにワクワクして「宝」を得て部屋を出て行く彼の姿が印象的だった。

 

あなたのチームに “with” を持ち込むと、どんな変化が生まれるだろう。