「働き方改革」に物申す①

この秋、母校で「働き方改革」をテーマに「激論対談」するという機会があり、
なんとなく感じていることを、言葉にしていきたいと考えている毎日。

そもそも「働き方改革」が
「残業解消」とほぼ同義で会話されている違和感。

「残業は悪だ」との号令のもと、部下に残業をさせられず仕事を抱え込む管理職。
不器用な新人に「量」ではない手法で「納期内で」どう仕事を覚えさせるのか、
など、現場のマネジメントは「与えられた資源」の活用に頭を悩ませる。

まあ、これが「働き方を改めて検討する」トリガーになれば、
それも意味のあることか。

リクルート時代、通信事業という全くの新規事業に配属された私たちは、
早朝から深夜(下手をすると翌朝)まで、仕事をしていた。

今から考えると「仕事ができないから会社に居た」側面も
大きかったように思うのだが、そんな娘の様子に母は、
「あんたは、資本主義に搾取されている」とのたもうた。

残業を良しとはしないが、
本来目指すべき成果をあげるために
必要な時間をどう考えるのか。
「時間」は、仕事を考える上で大きなファクターではある。

 

「女性活躍推進」を語るときにも、「時間」は大きな要素を占める。
私は、リクルートの「時間短縮勤務制度」取得の第一号だ。

当時、人事に
「週休が多いのと、毎日短時間なのでは、どちらがいいか?」と聞かれ、
保育園の仕組でいえば、「毎日短時間」以外の選択はなかったので、
そちらを制度にしてもらった。

やってみると本当にたいへんだった。

朝、子供にごはんを食べさせ、
熱を測り保育園への日誌を書き、
着替えを用意し、
自分の身支度と化粧をしながら
うんちを始末し、
さて、出かけようと思うと雨模様。
子供にカッパを着せ、
自分は傘をさして自転車に乗る。
朝、微熱があった日には、
日誌に低めに体温を書きこみ、
びくびくして出社をする。

出社までが大仕事。

出社して仕事を始めたとたんに、保育園から「熱があるのでお迎えに」と
電話をもらうのも日常茶飯事。
時短の上に、仕事を放り出して帰る肩身の狭さ。
「お先に失礼します」と言えずにそっと会社を出ることも多かった。

夕方は、どんなに仕事があっても、お迎えの時間には間に合わないといけない。
何があっても目をつぶって会社を出る。

その後は、子供を寝かしつけるまでが戦争だ。
あまりにしんどいときには、まだ言葉を理解できない子供に
「あんたがいるから、お母さんは仕事ができないのよ!」と
八つ当たりしたこともある。(・・・今では反省している)


この頃は、子育てというより、
「自分」と「時間」に向き合った時代だ。

24時間という限られた中で、圧倒的に業務量が多い。
「時間の中でのやりくり(いかにマルチタスクに動くか?)」をする。
必要のないところには「さっさと手を抜く(掃除は週1回でも生きていける)」。
毎日が綱渡りだった。

今、世の中の「女性活躍推進」は、
子育てをしながら仕事も頑張ってね、というメッセージ。

今の時代に生きる女子は、頑張っているなあと思うと同時に、
たいへんだなあと思う。

「時間」だけで語れない要素は多い。

あまりに「働き方改革」が奨励されて、「社内コミュニケーション」が薄くなり、
かえって働きにくくなっている職場の話も聞く。
副業の話、組織ではないコミュニティが世の中を動かす話。
パラダイム変換を日々感じている。

まとまらないけど、まずは一石。

いろいろご意見・情報いただければ幸いです。